置き配

配達員が注文者と対面せず、玄関先やメーターボックスなど指定の場所に商品を置いて配達を完了する非接触型の受け取り方法。コロナ禍を契機に急速に普及し、フードデリバリーや EC の標準的な配達オプションとなった。

置き配の普及背景と対応サービス

置き配は、2020 年のコロナ禍で感染リスクを低減する手段として急速に普及した。Amazon が 2020 年に置き配をデフォルト設定にしたことが転機となり、Uber Eats、出前館、ヤマト運輸、佐川急便など主要な配達サービスが相次いで対応した。現在では EC の荷物受け取りの約 4 割が置き配を選択しているとされる。

フードデリバリーでは、注文時にアプリ上で「玄関先に置く」を選択し、配達完了時に配達員が商品の写真を撮影して通知する仕組みが一般的だ。対面受け取りと比べて、配達員の待機時間が削減されるため配達効率が向上し、結果的に配達手数料の抑制にもつながっている。

置き配のリスク管理と安全な利用法

置き配の最大のリスクは盗難と誤配だ。対策としては、オートロック付きマンションでは宅配ボックスを指定する、戸建てでは門扉の内側や目立たない場所を指定する、高額商品は対面受け取りに切り替えるといった使い分けが有効だ。配達完了写真の確認を習慣化し、万が一の紛失時にはプラットフォームのカスタマーサポートに速やかに連絡することが重要だ。

フードデリバリーの置き配では、食品衛生の観点も考慮が必要だ。夏場は商品が高温にさらされるリスクがあるため、配達通知を受けたら速やかに回収する、日陰の場所を指定するなどの工夫が求められる。各プラットフォームは置き配時の商品破損や紛失に対する補償制度を設けているが、補償条件はサービスごとに異なるため事前に確認しておきたい。

置き配と再配達問題の解消

置き配の普及は、日本の物流業界が抱える再配達問題の解消にも貢献している。国土交通省の調査によると、宅配便の再配達率は約 12% (2023 年) で、年間約 6 万トンの CO2 排出に相当する。置き配の利用拡大により、再配達率は着実に低下傾向にあり、配達ドライバーの労働負荷軽減と環境負荷の削減という社会的メリットも生んでいる。