ラストマイル配送

物流拠点 (配送センターや営業所) から最終目的地 (消費者の自宅やオフィス) までの最後の配送区間を指す物流用語。配送コスト全体の約 50% を占めるとされ、EC の成長に伴い効率化と品質向上が業界全体の課題となっている。

ラストマイル配送の課題と物流業界の現状

ラストマイル配送は物流プロセスの中で最もコストがかかり、最も非効率な区間だ。幹線輸送 (倉庫間の大量輸送) はトラック 1 台で数百個の荷物を運べるが、ラストマイルでは 1 件ずつ個別の住所に届ける必要があるため、1 個あたりの配送コストが跳ね上がる。日本では 2023 年の宅配便取扱個数が約 50 億個に達し、EC の成長に伴って年々増加している。

最大の課題は再配達問題だ。国土交通省の調査によると、宅配便の約 11% が再配達となっており、年間約 6 万トンの CO2 排出と約 9 万人分の労働力に相当するロスが発生している。2024 年問題 (トラックドライバーの時間外労働規制強化) により人手不足がさらに深刻化する中、再配達の削減は社会的な課題として注目されている。

ラストマイル配送の効率化と消費者ができる協力

物流業界ではラストマイルの効率化に向けた取り組みが加速している。置き配 (玄関前や宅配ボックスへの配達) は再配達を大幅に削減する手段として急速に普及し、Amazon では置き配がデフォルト設定になっている。コンビニ受取や PUDO (宅配便ロッカー) などの受取拠点の拡充も進んでおり、消費者が自分の都合に合わせて荷物を受け取れる選択肢が増えている。

消費者としてラストマイル配送の効率化に協力するには、配達日時の指定を積極的に活用し、確実に受け取れる時間帯を選ぶことが基本だ。置き配を許容できる環境であれば置き配を選択し、不在時の再配達を減らすことが配送ドライバーの負担軽減につながる。複数の EC サイトで同時期に注文する場合は、まとめ買いや配達日の統一を意識することで、配送回数そのものを減らす工夫も有効だ。