日常生活や事業活動において、他人の身体や財物に損害を与えた場合の法律上の損害賠償責任を補償する保険。個人向けの個人賠償責任保険と、事業者向けの施設賠償責任保険・生産物賠償責任保険 (PL 保険) などに分類され、数億円規模の賠償リスクに対する備えとなる。
賠償責任保険の種類と個人が備えるべきリスク
個人賠償責任保険は、日常生活で他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合の損害賠償を補償する。自転車事故で歩行者に重傷を負わせた場合、賠償額が 9,000 万円を超えた判例もあり、自転車保険の義務化が全国的に進んでいる背景にはこのリスクがある。子どもが友人の家の窓ガラスを割った、飼い犬が通行人を噛んだ、マンションの水漏れで階下の部屋に損害を与えたなど、日常的に起こりうるトラブルが補償対象だ。
個人賠償責任保険は単独で加入するよりも、火災保険や自動車保険の特約として付帯するのが一般的で、月額 100〜200 円程度の追加保険料で 1 億〜無制限の補償が得られる。家族全員が補償対象になるプランが多く、コストパフォーマンスは極めて高い。すでに加入している保険に個人賠償責任特約が付帯していないか確認し、未加入であれば追加を検討すべきだ。
事業者向け賠償責任保険の実務的な選び方
事業者向けの賠償責任保険は、業種やリスクの性質に応じて複数の種類がある。施設賠償責任保険は、店舗や事務所の管理不備による事故 (床の水濡れで来客が転倒など) を補償する。生産物賠償責任保険 (PL 保険) は、製造・販売した製品の欠陥による事故を補償する。受託者賠償責任保険は、顧客から預かった物品の損傷・紛失を補償する。
フリーランスや個人事業主にとっては、専門職業人賠償責任保険 (E&O 保険) も重要だ。IT エンジニアが納品したシステムの不具合で顧客に損害が発生した場合や、コンサルタントの助言に基づく判断で損失が生じた場合の賠償責任をカバーする。保険料は業種、売上規模、補償金額によって異なるが、年間 3〜10 万円程度で加入できるプランが多い。事業規模が小さいほど、一度の賠償で事業継続が困難になるリスクが高いため、早期の加入を推奨する。