宝くじの期待値 - 還元率 46%、最も割の悪いギャンブルの数学

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宝くじの還元率 46% - 300 円で買えるのは 140 円の「夢」

宝くじの還元率 (当せん金の総額 ÷ 販売総額) は約 46% だ。これは法律 (当せん金付証票法) で「当せん金の総額は発売総額の 50% を超えてはならない」と定められているためだ。

300 円の宝くじ 1 枚の期待値 (統計的に期待できる当せん金額) は約 140 円。つまり、300 円を支払って平均 140 円しか戻ってこない。差額の 160 円は、地方自治体の財源 (約 40%)、販売経費 (約 12%)、社会貢献事業 (約 2%) に充てられる。

他のギャンブルと比較すると、宝くじの還元率の低さは際立つ。パチンコ・パチスロの還元率は約 80〜85%、競馬は約 70〜80%、競輪・競艇は約 75%。宝くじの 46% は、合法的なギャンブルの中で最低水準だ。

「宝くじは愚者の税金」(lottery is a tax on the poor) という英語の格言がある。統計的に見れば、宝くじは最も割の悪い「投資」だ。しかし、それでも日本の宝くじ市場は年間約 8,000 億円規模。なぜ人は買い続けるのか。 宝くじを購入する →

1 等当せん確率の「実感」 - 雷に打たれる確率と比較する

年末ジャンボ宝くじの 1 等 (7 億円) の当せん確率は約 2,000 万分の 1 だ。この数字を「実感」するために、他の確率と比較してみよう。

年間で雷に打たれる確率: 約 100 万分の 1。宝くじ 1 等の当せん確率は、雷に打たれる確率の 20 分の 1 だ。つまり、宝くじを 1 枚買って 1 等に当たるより、その年に雷に打たれる確率の方が 20 倍高い。

交通事故で死亡する年間確率: 約 3 万分の 1。宝くじ 1 等の当せん確率は、交通事故死の約 670 分の 1。

4 つ葉のクローバーを見つける確率: 約 1 万分の 1。宝くじ 1 等は、4 つ葉のクローバーを見つけるより 2,000 倍難しい。

これらの比較を見ると、1 等当せんがいかに非現実的かがわかる。しかし人間の脳は、極めて低い確率を正確に評価することが苦手だ。「2,000 万分の 1」と「1,000 万分の 1」の違いを直感的に区別できる人はいない。どちらも「ほぼゼロだが、ゼロではない」と認識される。この「ゼロではない」という部分が、宝くじの魅力を支えている。

それでも人が宝くじを買う 3 つの心理

期待値がマイナスであることを知っていても、宝くじを買う人は多い。その心理メカニズムを 3 つ解説する。

1. 「夢を買う」効用。宝くじの本当の商品は「当せん金」ではなく「当たるかもしれないという期待感」だ。抽選日までの数日間、「7 億円が当たったら何に使おう」と想像する楽しさ。この「夢の時間」に 300 円を支払っていると考えれば、映画 1 本 (2 時間で 1,900 円) より安い娯楽だ。

2. 確率の過大評価 (プロスペクト理論)。行動経済学のプロスペクト理論によると、人間は極めて低い確率を実際より高く評価する傾向がある。2,000 万分の 1 の確率を、脳は「ゼロではない、もしかしたら」と過大に評価する。この認知バイアスが、宝くじの購買を支えている。

3. 現状変革への渇望。宝くじの購入者層は、高所得者より中低所得者に偏る傾向がある。現在の経済状況を劇的に変える手段として、宝くじに希望を託す。合理的ではないが、「一発逆転」の可能性にお金を払う心理は理解できる。

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宝くじの 300 円を別の使い方に回したら

宝くじに使う 300 円を、別の方法で運用したらどうなるか。比較してみよう。

毎月 300 円を投資信託に積み立てた場合。年利 5% で 30 年間運用すると、元本 108,000 円が約 250,000 円になる。宝くじの期待値 (300 円 × 46% = 138 円/月) と比べて、確実にリターンが大きい。

毎月 300 円をふるさと納税の原資に回した場合。年間 3,600 円をふるさと納税に上乗せすれば、返礼品として約 1,080 円相当 (30%) の商品が追加で受け取れる。宝くじの期待値 (年間 1,656 円) より確実に得だ。

毎月 300 円を招待コードの活用に充てた場合。新しいサービスに登録して招待コードを入力するだけで、500〜2,000 円分のポイントが確実に手に入る。宝くじの「不確実な 140 円」より、招待コードの「確実な 500 円」の方が合理的だ。

宝くじを「娯楽」として楽しむ分には問題ないが、「投資」や「節約」の手段として考えるのは数学的に間違っている。同じ金額をより確実なリターンが得られる方法に回す方が、長期的には圧倒的に有利だ。

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