スニーカー転売の仕組み - 定価 1 万円の靴が 10 万円になる理由

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なぜ限定スニーカーは値上がりするのか

Nike の限定コラボスニーカーが定価 16,500 円で発売され、即日完売。翌日にはフリマアプリで 10 万円以上で出品されている。なぜこんなことが起きるのか。

答えは「需要と供給のギャップ」だ。メーカーが意図的に生産数を絞り、欲しい人の数 (需要) に対して商品の数 (供給) を大幅に少なくしている。1 万足しか作らないスニーカーを 10 万人が欲しがれば、定価で買えなかった 9 万人の中に「定価以上でも欲しい」という人が現れる。

これは希少性のマーケティングの究極形だ。メーカーは「限定」「コラボ」「抽選販売」というキーワードで希少性を演出し、ブランドの価値を高めている。大量生産すれば全員に行き渡るが、それではプレミア感がなくなり、ブランドイメージが下がる。 スニーカーを選ぶ →

転売で儲かる人と損する人

転売で利益を得るには「定価で買って、定価以上で売る」必要がある。しかし、限定スニーカーの抽選倍率は 10〜100 倍にもなる。当選確率 1〜10% の抽選に何度も応募し、当選した商品を転売する。

一見すると簡単に儲かりそうだが、リスクもある。第一に、すべての限定品が値上がりするわけではない。人気が予想を下回れば、定価割れすることもある。第二に、フリマアプリの手数料 (メルカリなら 10%) と送料がかかる。第三に、偽物のリスク。転売市場には精巧な偽物が出回っており、知らずに偽物を買ってしまう (または売ってしまう) リスクがある。

買う側のリスクも大きい。定価の 5〜10 倍の価格で買ったスニーカーのリセールバリューは、トレンドが変われば急落する。「投資」のつもりで買ったスニーカーが、半年後には定価以下になることも珍しくない。

メーカーはなぜ転売を止めないのか

「転売されるなら、メーカーが最初から高い値段で売ればいいのでは」と思うかもしれない。実際、一部のブランドはそうしている。しかし、多くのメーカーが定価を抑えている理由がある。

ブランドイメージの維持。定価 16,500 円なら「頑張れば買える」価格帯だ。これが定価 10 万円になると、一般の消費者は手が出せなくなり、ブランドの裾野が狭まる。幅広い層に「欲しい」と思わせることが、ブランド価値の源泉だ。

話題性の創出。「即完売」「転売価格 10 倍」というニュースは、それ自体が強力な広告になる。メーカーは広告費をかけずに、SNS やメディアで大きな話題を作れる。

つまり、転売市場の存在はメーカーにとって必ずしもマイナスではない。転売による「プレミア感」がブランド価値を高め、次の新作への期待を煽る。希少性を武器にしたマーケティング戦略の一部なのだ。

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転売価格に踊らされないための考え方

考え方 1: 「本当に履きたいか」を自問する。転売価格 10 万円のスニーカーを買う理由が「みんなが欲しがっているから」なら、それはバンドワゴン効果に流されている可能性がある。自分が本当に履きたいデザインかどうかを冷静に考えよう。

考え方 2: 定価で買えないなら諦める。抽選に外れたら「縁がなかった」と割り切る。転売価格で買うことは、転売ヤーのビジネスモデルを支えることでもある。

考え方 3: 似たデザインの通常モデルを探す。限定コラボの元になった通常モデルは、定価で普通に買えることが多い。デザインの 90% は同じで、価格は 10 分の 1。コスパで考えれば通常モデルの圧勝だ。

フリマアプリの価格設定で解説したように、中古市場の価格は需要と供給で決まる。「今」高いからといって「ずっと」高いとは限らない。冷静な判断が、最も賢い買い物につながる。

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