投資資金を株式、債券、不動産、現金などの異なる資産クラスにどのような比率で配分するかを決定する資産配分戦略。投資のリターンの約 90% はアセットアロケーションで決まるとされ、個別銘柄の選定よりも重要な投資判断だ。
アセットアロケーションの基本原則と代表的な配分モデル
アセットアロケーションの基本原則は「分散」だ。値動きの異なる資産クラスを組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスク (価格変動の幅) を抑えながらリターンを追求する。株式はリターンが高い反面リスクも大きく、債券はリターンが低い代わりにリスクも小さい。この 2 つを組み合わせることで、リスクとリターンのバランスを調整する。
代表的な配分モデルとして、年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF) の基本ポートフォリオがある。国内株式 25%、外国株式 25%、国内債券 25%、外国債券 25% という均等配分で、長期的に安定したリターンを目指す設計だ。個人投資家の場合は、年齢やリスク許容度に応じて株式比率を調整する。「100 - 年齢 = 株式比率」という簡易ルールも広く知られているが、あくまで目安であり、個人の資産状況や投資目的に応じたカスタマイズが必要だ。
アセットアロケーションの実務的な構築手順とリバランス
アセットアロケーションを構築する手順は、まず投資目的と期間を明確にし、次にリスク許容度を自己評価し、最後に具体的な配分比率を決定する流れだ。20〜30 代で老後資金を目的とするなら、株式比率を 70〜80% と高めに設定し、長期の成長を狙う。50 代以降で退職が近い場合は、債券や現金の比率を高めてリスクを抑える。
一度決めた配分比率は、市場の値動きによって崩れていく。株式が大きく上昇すれば株式比率が目標を超え、逆に下落すれば比率が下がる。この乖離を修正するのが「リバランス」だ。年 1〜2 回の頻度で、比率が目標から 5% 以上乖離した資産クラスを売買して元の配分に戻す。リバランスは「高くなった資産を売り、安くなった資産を買う」行為であり、逆張りの効果で長期リターンの向上に寄与するとされている。