ワンストップ特例

ふるさと納税の寄附金控除を確定申告なしで受けられる簡易手続き制度。寄附先が年間 5 自治体以内の給与所得者が対象で、寄附のたびに申請書を自治体に提出するだけで翌年度の住民税から控除が適用される。2015 年に導入され、ふるさと納税の利用拡大に大きく貢献した。

ワンストップ特例の適用条件と申請手順

ワンストップ特例制度を利用するには 3 つの条件を満たす必要がある。第一に、確定申告が不要な給与所得者であること。副業収入が 20 万円を超える場合や、医療費控除を申請する場合は確定申告が必要になるため、ワンストップ特例は使えない。第二に、寄附先が年間 5 自治体以内であること。同一自治体に複数回寄附しても 1 自治体としてカウントされる。第三に、寄附のたびに申請書を翌年 1 月 10 日までに寄附先自治体に提出すること。

申請手順は、寄附完了後に届く「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を記入し、マイナンバーの確認書類のコピーを添付して寄附先自治体に郵送する。最近はオンライン申請に対応する自治体も増えており、マイナンバーカードとスマートフォンがあれば数分で手続きが完了する。申請書の提出期限は翌年 1 月 10 日必着であり、12 月末の駆け込み寄附では郵送が間に合わないリスクがあるため注意が必要だ。

ワンストップ特例の落とし穴と確定申告との使い分け

ワンストップ特例には見落としがちな注意点がある。最も多い失敗は、医療費控除や住宅ローン控除の初年度申請のために確定申告を行った場合、ワンストップ特例の申請がすべて無効になることだ。確定申告を行う場合は、ふるさと納税の寄附金控除も確定申告で申請し直す必要がある。この「上書きルール」を知らずに控除を受け損ねるケースは少なくない。

また、ワンストップ特例では控除が全額住民税から行われるのに対し、確定申告では所得税からの還付と住民税からの控除に分かれる。最終的な控除総額は同じだが、所得税の還付は確定申告後 1〜2 か月で銀行口座に振り込まれるため、キャッシュフローの観点では確定申告の方が有利な場合もある。6 自治体以上に寄附したい場合や、他の控除と併用する場合は、最初から確定申告を選択する方が確実だ。