給食費の内訳 - 保護者が払っているのは食材費だけ
中学校の給食費は月額 5,000 円前後、1 食あたりに換算すると約 250〜300 円だ。コンビニ弁当が 500〜600 円、外食なら 800 円以上かかることを考えると、驚くほど安い。
この安さの秘密は「保護者が払っているのは食材費だけ」という点にある。給食を作る調理員さんの人件費、調理場の建設費や光熱費、食器や調理器具の費用はすべて市区町村の税金でまかなわれている。つまり、給食費 250 円は純粋に食材の原価だけなのだ。
もし人件費や設備費も含めた「本当のコスト」を計算すると、1 食あたり 800〜1,000 円になるとも言われている。保護者が負担しているのは全体の 3 割程度で、残りの 7 割は税金が支えている。 チョコレートを選ぶ →
大量仕入れのパワー - 1,000 人分をまとめて買うと何が起きるか
給食の食材費が安いもう一つの理由は、大量仕入れだ。1 つの給食センターが 1 日に 3,000〜5,000 食を作ることも珍しくない。これだけの量をまとめて発注すると、食材の単価が大幅に下がる。
たとえば、にんじん 1 本をスーパーで買うと 50〜80 円だが、給食センターが農家から 500 kg 単位で仕入れると、1 本あたり 15〜20 円程度になる。鶏肉も、スーパーの小分けパックは 100g あたり 120 円前後だが、業務用の大量仕入れなら 100g あたり 60〜80 円だ。
この「まとめ買いで安くなる」仕組みは、まとめ買いの経済学で詳しく解説している。給食は、まとめ買いのメリットを最大限に活かした究極の例と言える。
栄養士の献立マジック - 限られた予算で栄養基準をクリアする技
学校給食には文部科学省が定めた「学校給食摂取基準」がある。1 食あたりのカロリー、たんぱく質、カルシウム、鉄分、ビタミンなどの目標値が細かく決められていて、栄養士はこの基準を満たす献立を毎日考えている。
予算内で栄養基準をクリアするために、栄養士が使うテクニックがいくつかある。まず「旬の食材を使う」こと。旬の野菜は出荷量が多いため価格が安く、しかも栄養価が高い。冬のほうれん草は夏のものよりビタミン C が 3 倍多いというデータもある。
次に「安い食材で高い栄養を取る」工夫だ。もやし (1 袋 30 円前後) はビタミン C と食物繊維が豊富。豆腐 (1 丁 40 円前後) はたんぱく質とカルシウムの優秀な供給源。卵 (1 個 20 円前後) はほぼ完全栄養食品だ。こうした「コスパの高い食材」を上手に組み合わせることで、250 円の予算でも栄養満点の食事が実現する。
給食から学ぶ「食費を安くする 3 つのコツ」
給食の仕組みには、家庭の食費を節約するヒントが詰まっている。
コツ 1: まとめ買いで単価を下げる。給食センターほどの量は無理でも、週末にまとめて食材を買い、下ごしらえして冷凍しておけば、1 食あたりのコストは確実に下がる。スーパーの特売日を狙うのも効果的だ。
コツ 2: 旬の食材を選ぶ。旬の野菜や果物は安くて栄養価が高い。夏のトマトやきゅうり、冬の白菜や大根は、旬を外れた時期の半額以下で買えることもある。
コツ 3: 「コスパ食材」を常備する。もやし、豆腐、卵、納豆、バナナ。これらは安くて栄養価が高い「コスパ最強食材」だ。給食の栄養士も頼りにしている食材を、家庭でも積極的に取り入れよう。
ちなみに、自炊の食費を 1 食 300 円以下に抑えられれば、コンビニの値引き商品を買うよりも安上がりになることが多い。給食の知恵を借りて、お小遣いの節約に役立ててみてほしい。
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