ドラッグストアが安い理由 - 食品を原価割れで売る集客モデルの全貌

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ドラッグストアの食品はなぜスーパーより安いのか

ドラッグストアで牛乳やカップ麺を買ったことがあるだろうか。同じ商品がスーパーより安く並んでいることに気づいた人も多いはずだ。薬局なのに、なぜ食品がこれほど安いのか。

答えは「クロスサブシディ」(内部補助) にある。ドラッグストアの収益の柱は医薬品と化粧品だ。これらの商品は、食品に比べて粗利率が高い商品群として扱われる。この高利益率商品の利益で、食品の低価格販売 (場合によっては原価割れ) を補填している。

食品は「客寄せ」の役割を果たす。「牛乳が 150 円」「カップ麺が 88 円」という価格で来店した客が、ついでに風邪薬やシャンプーといった粗利率の高い商品を購入する。食品の赤字を、医薬品・化粧品の利益が大幅に上回る。

100 円ショップの「ドル箱」と「客寄せ」、コンビニのおにぎり 100 円セールと同じ構造だ。低利益率商品で集客し、高利益率商品で稼ぐ。小売業の基本戦略が、ドラッグストアでは最も極端な形で実践されている。

医薬品の利益率 - カテゴリによって粗利率が大きく違う

ドラッグストアの商品カテゴリ別粗利率を見ると、食品との差は歴然だ。

医薬品 (OTC)。4 つのカテゴリの中で最も粗利率が高いとされる層。風邪薬、胃腸薬、目薬、ビタミン剤。価格競争が起きにくく、値引き前提の売り方をしない商品が多い。

化粧品。医薬品に次ぐ層。スキンケア、メイクアップ、ヘアケア。ブランド化粧品は特に利益率が高い。

日用品。中間の層。洗剤、ティッシュ、トイレットペーパー。スーパーと競合するため、価格競争が激しい。

食品。最も粗利率が低い層。飲料、菓子、カップ麺、乳製品。スーパーの食品売場より低い粗利率で値付けされていることが多い。

医薬品の粗利率が高い理由は、価格競争が起きにくいからだ。風邪を引いたとき、「A 店の風邪薬は 1,500 円だが、B 店は 1,400 円だから B 店に行こう」と比較する消費者は少ない。体調が悪いときは、最寄りのドラッグストアで買う。この「価格感度の低さ」が、高い粗利率を維持できる理由だ。

ドラッグストア戦争 - 食品の安売り競争が激化する理由

日本のドラッグストア業界では、出店競争が続いている。2026 年 8 月時点で全国に展開している大手チェーンとしては、ウエルシア、ツルハ、マツキヨココカラ、スギ薬局、コスモス薬品などが挙げられる。各社が店舗数を広げ、同じ商圏に複数のドラッグストアが並ぶ状況が生まれている。

競合が増えると、差別化の手段として食品の安売りがエスカレートする。「うちの方が牛乳が安い」「うちの方がカップ麺が安い」。食品の価格で集客し、医薬品と化粧品で利益を確保する。この構造が、ドラッグストアの食品価格をさらに押し下げている。

特にコスモス薬品は、食品の品揃えと低価格に特化した戦略で急成長した。売場の大きな部分を食品に充て、スーパーマーケット並みの品揃えを前面に出す店づくりをしている。「ドラッグストアなのにスーパーより安い」という認知が広がり、日常の食品購入先としてドラッグストアを選ぶ消費者が増えている。

この競争の恩恵を受けるのは消費者だ。ドラッグストアの食品価格は、スーパーの価格にも下方圧力をかけている。

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ドラッグストアで賢く買い物するテクニック

ドラッグストアの価格構造を理解した上で、賢く買い物するためのテクニックをまとめる。

食品と日用品はドラッグストアで買う。牛乳、卵、パン、カップ麺、飲料、洗剤、ティッシュ。これらの日常品は、スーパーよりドラッグストアの方が安いことが多い。曜日別の買い物術と組み合わせて、特売日を狙えばさらにお得だ。

医薬品は価格を比較してから買う。医薬品は粗利率が高い分、店舗間の価格差も大きい。同じ風邪薬でも、店舗によって売価が違うことは珍しくない。急ぎでなければ、複数店舗の価格を比較しよう。

ポイントカードとクーポンを活用する。ドラッグストア各社のアプリは、高還元率のクーポンを頻繁に配信している。コンビニアプリのクーポンと同様に、パーソナライズされたクーポンが届くことが多い。PayPay のキャンペーンと組み合わせれば、さらに実質価格を下げられる。

PB 商品を活用する。ドラッグストアの PB 医薬品は、NB 商品より低い価格が付くことが多い。有効成分や配合量は商品ごとに異なるため、パッケージの成分表示を見比べ、同等品だと確認できた場合に PB を選ぶのが合理的だ。

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