ナッジ

選択の自由を奪わずに、人々の行動をより良い方向に誘導する仕掛けや設計のこと。行動経済学者リチャード・セイラーが提唱し、公共政策からマーケティングまで幅広く応用されている。

ナッジが買い物体験に組み込まれている事例

ナッジは、私たちの日常の買い物体験に数多く組み込まれている。EC サイトの「この商品を買った人はこちらも購入しています」というレコメンドは、追加購入を促すナッジだ。フードデリバリーアプリで注文確定前に表示される「あと 200 円で送料無料」も、注文金額を引き上げるナッジとして機能している。

デフォルト設定もナッジの代表例だ。サブスクリプション自動更新がデフォルトでオンになっているのは、解約の手間というナッジで継続を促している。Amazon プライムの無料体験が自動的に有料プランに移行する設計も、デフォルト効果を利用したナッジだ。オプトアウト (自分から解除する) よりオプトイン (自分から申し込む) のほうが行動のハードルが高いという人間の特性を活用している。

ナッジを味方につけて節約する

ナッジの仕組みを理解すれば、自分自身の節約行動にも応用できる。給料日に自動で貯蓄口座に振り替える設定は、「貯蓄をデフォルトにする」ナッジだ。PayPayオートチャージ金額を低めに設定しておけば、残高不足が「本当に必要な買い物か」を考えるきっかけになる。

買い物アプリの通知をオフにするのも、衝動買いを防ぐナッジの一種だ。セール通知やクーポン期限のリマインドは、購買を促すナッジとして設計されている。これらの通知を意図的にオフにすることで、「買わない」をデフォルトにできる。ナッジは企業だけのツールではなく、消費者が自分の行動を設計するためにも使える強力な概念だ。

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