ある選択をしたことで失われた、他の選択肢から得られたはずの最大の利益。目に見えないコストだが、合理的な意思決定には不可欠な概念。
機会費用で「本当のコスト」を見抜く
機会費用は、支払った金額だけでは見えない「本当のコスト」を明らかにする。たとえば、スーパーの特売品を買うために片道 30 分かけて遠くの店に行く場合、往復 1 時間の時間コストが発生する。時給 1,500 円で働ける人なら、その 1 時間の機会費用は 1,500 円だ。特売で 300 円安く買えても、機会費用を含めると 1,200 円の損失になる。
フードデリバリーの利用判断にも機会費用は関わる。自炊すれば食材費 500 円で済む夕食を、Uber Eats で 1,500 円かけて注文するのは一見もったいない。しかし、自炊に 1 時間かかるなら、その 1 時間を仕事や勉強に充てた場合の価値と比較すべきだ。時間の機会費用が 1,000 円を超えるなら、デリバリーのほうが合理的な選択になる。
機会費用を日常の節約判断に活かす
ポイント活動 (ポイ活) の機会費用も見落とされがちだ。アンケート回答で 1 ポイント (1 円相当) を獲得するのに 5 分かかるなら、時給換算で 12 円。その 5 分を他の活動に使ったほうが生産的かもしれない。ポイ活は「タダで得している」ように見えるが、時間という機会費用を支払っている。
クーポン探しにも同じことが言える。10 分かけてネットで 200 円引きのクーポンを見つけるのは、時給換算で 1,200 円の作業だ。これは十分に価値がある。しかし、30 分かけて 100 円引きのクーポンを探すのは時給 200 円の作業であり、その時間を別のことに使うほうが合理的だ。機会費用の視点を持つことで、節約活動の優先順位が明確になる。
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